今週のキーワード 5月18日

2007年05月28日

 5月18日に出演した文化放送「吉田照美のソコダイジナトコ」では、「僕は○○が仕事」を「今週のキーワード」にしました。
 
 
 7月に予定されている参議院議員選挙。
 参院選挙のうち全国比例区は、大量得票した候補者の票が所属政党の票として扱われるため、政党は知名度の高いタレント候補を立てたがります。前回の参院選でも、自民党は元五輪選手の荻原健児氏や女子プロレスラーの神取忍氏を立て、民主党も歌手の喜納昌吉氏を公認しました。特に自民党に体育会系が目立つのは、知名度の高さに加え、自分なりの政策を展開して自己主張をするより、黙って組織の方針や先輩の指導に従い、乱闘にも強いタイプが求められている、ということなのでしょうか。
 今回任期を迎えるのは、小泉旋風で自民党が大勝した選挙で選ばれた議員たちです。憲法改正を狙う安倍・自民党としては、いかに現有議席の減少を食い止めるかが課題。
 というわけで、いつもにも増して、票の取れそうなタレント候補の擁立に躍起になっているようです。
 これまでも様々な人の名前が挙がりました。タレントの藤原紀香さん、歌手の郷ひろみさん、元五輪選手の小谷実可子さん……
 そして、ついにはサッカー選手のカズこと三浦知良選手にも自民党から出馬の要請がありました。まさに知名度は抜群。しかも、先日のサンフレッチェ広島戦では、40歳2カ月16日という日本人としてJ1最年長ゴールという偉大な記録を達成し、中高年に感動と希望を与えたばかりです。
 しかし、三浦選手はその要請を受け入れませんでした。要請の事実が報じられるや、所属する横浜FCの広報を通じて「自民党よりオファーを頂きましたが、お断りいたしました。土曜日の試合に向けて、しっかりと調整して全力で頑張ります」とのコメントを発表。5月18日付朝日新聞によれば、前日の練習の後、記者に囲まれた三浦選手は、断った理由を次のように説明したそうです。
「僕はサッカー選手だから。政治のことはわからない」
 要請に対しては「相手があることなので、その場では断らなかったが、考える時間が必要ということではなく、判断はまったく迷わなかった」そうです。
 「政治に興味がある人はやればいい」「でも、僕はサッカーが仕事」
 
 かっこいい!
 「僕はサッカーが仕事」――この何気ない一言に、サッカー選手という職業への、誇りと愛情を感じます。
 こんな風にさらりと、自分の仕事に対する熱い思いを語れるなんて、本当にス・テ・キ!
 彼は、少しでも長く第一線の現役選手でいる、という目標をはっきり持っているし、どこに身を置いている時に自分が一番輝くのか、ということを分かっているんですね。だからこそ、「先生」と呼ばれる地位へ誘われたからといって、ホイホイ自分の仕事を投げ捨てたりしない。本当に自分をよく知っている人なんだと思いました。そこがまた素晴らしいですね。
 要請をした自民党側は、「もうピークを過ぎているんだし、引退後の次の人生を考えているだろうから、声をかければ飛びつく」とでも思ったのでしょうか。実に失礼な話です。
 でも、そういう相手に不快感を示すこともせず、「毎週毎週、勝負の場が待っている。全力で試合をするだけ」と語ったそうです。
 おごらず、でも誇りをもって、ひたむきに自分の選んだ道を歩んでいく。そんな三浦選手が、次々と最年長ゴールの記録を更新するように、応援したい気持ちになりました。

 それにしても、選挙に勝ちたい一心とはいえ、自民党のタレント漁りにはあきれてしまいます。
 もっとも、平然と「わかんないんだよね」と言ってはばからないタレント候補に、貴重な一票を投じてしまう有権者も問題。顔と名前を知っているからとか、テレビに出ていたからとかいった安易な理由ではなく、その人の政治家としての力量を考えて、投票したいものです。

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