松本サリン事件
2008年08月05日
松本サリン事件の被害者で、重篤な後遺症のために長らく闘病生活を続けられていた河野澄子さんが亡くなりました。
夫の義行さんをはじめ、ご家族の献身的な看病によって、今まで頑張ってこられたのだと思います。どうか安らかにお休みください、という気持ちです。心からご冥福をお祈りいたします。そして、ご家族には慰めがもたらされるようお祈りいたします。
これで、松本サリン事件による死者は8人となりました。発生から14年以上経っても、事件は終わったわけではなく、まだ進行中であることを改めて感じます。オウム真理教は、これだけ長きにわたって被害者を苦しめ続けているのです。この教団が引き起こした事件のむごさを痛感します。
にもかかわらず、未だに教団にしがみついて松本智津夫を崇めている人がいることに憤りを覚えます。
しかも、一連のオウム事件では、教団からの賠償金の支払いが滞り、裁判所が認めた約38億円の損害賠償のうち約23億円が未払いのまま、今年3月に破産手続きは終了せざるをえませんでした。6月に国会で「オウム真理教被害者救済法」が成立し、被害者約4000人に対して、総額15億5000万円の見舞金が支払われることになりました。金額は被害の程度によって異なり、介護を必要とする後遺障害を被った被害者には最高3000万円が支払われます。オウム事件をテロ事件と考え、その被害者に対しては国が何らかの救済措置をとるべきだ、ということで、与野党の意見が一致した結果です。特に介護を必要としている被害者とその家族は、金銭的にも負担が大きく、こうした救済策が実現したことは歓迎します。しかし、このお金は本来、教団及びその関係者が支払うべきだったものです。国は厳しく取り立てを行い、回収しなければなりません。そうでなければ、教団及びその関係者は債務の支払いを、国民に肩代わりさせたことになってしまいます。債務から解放されてすっかり身軽になった彼らが、稼いだお金を自分たちの活動に費やすことになります。そんなことにならないよう、国は早急に、取り立ての担当者を決めて教団に支払いの督促を始めていただきたい。
また、松本サリン事件は1989年11月の坂本弁護士一家の事件から4年7ヶ月以上経ってから起きています。坂本事件の時に、警察がしっかり初動捜査をしていれば……。坂本弁護士の同僚たちは、一家の行方不明を知ってすぐに、実行犯の一人を特定して警察に捜査を依頼していました。なのに、事件発生当時の神奈川県警の幹部は、坂本さん宅に残されていた暴力の痕跡を無視し、一家が自発的に失踪したと決めつけて、捜査にブレーキをかけたのでした。
警察に届けが行われた時点では実行犯らは遺体を埋める作業からまだ戻っていませんでした。彼らは高速道路も使っていましたから、その動きを把握することは可能でした。この事件では、松本智津夫が直接実行犯に殺害の指示をしています。きちんと捜査が行われ、教団の犯罪が明らかにされて松本が逮捕されていれば、教団は武装化する機会はありませんでした。サリンの製造方法を教団にもたらした信者は、坂本事件の後に”出家”しているのですから。
このように、初動捜査の誤りが取り返しの付かない悲惨な結果をもたらすことを、神奈川県警のみならず、全国の警察関係者はよくよく肝に銘じてもらいたいと思います。
夫の義行さんをはじめ、ご家族の献身的な看病によって、今まで頑張ってこられたのだと思います。どうか安らかにお休みください、という気持ちです。心からご冥福をお祈りいたします。そして、ご家族には慰めがもたらされるようお祈りいたします。
これで、松本サリン事件による死者は8人となりました。発生から14年以上経っても、事件は終わったわけではなく、まだ進行中であることを改めて感じます。オウム真理教は、これだけ長きにわたって被害者を苦しめ続けているのです。この教団が引き起こした事件のむごさを痛感します。
にもかかわらず、未だに教団にしがみついて松本智津夫を崇めている人がいることに憤りを覚えます。
しかも、一連のオウム事件では、教団からの賠償金の支払いが滞り、裁判所が認めた約38億円の損害賠償のうち約23億円が未払いのまま、今年3月に破産手続きは終了せざるをえませんでした。6月に国会で「オウム真理教被害者救済法」が成立し、被害者約4000人に対して、総額15億5000万円の見舞金が支払われることになりました。金額は被害の程度によって異なり、介護を必要とする後遺障害を被った被害者には最高3000万円が支払われます。オウム事件をテロ事件と考え、その被害者に対しては国が何らかの救済措置をとるべきだ、ということで、与野党の意見が一致した結果です。特に介護を必要としている被害者とその家族は、金銭的にも負担が大きく、こうした救済策が実現したことは歓迎します。しかし、このお金は本来、教団及びその関係者が支払うべきだったものです。国は厳しく取り立てを行い、回収しなければなりません。そうでなければ、教団及びその関係者は債務の支払いを、国民に肩代わりさせたことになってしまいます。債務から解放されてすっかり身軽になった彼らが、稼いだお金を自分たちの活動に費やすことになります。そんなことにならないよう、国は早急に、取り立ての担当者を決めて教団に支払いの督促を始めていただきたい。
また、松本サリン事件は1989年11月の坂本弁護士一家の事件から4年7ヶ月以上経ってから起きています。坂本事件の時に、警察がしっかり初動捜査をしていれば……。坂本弁護士の同僚たちは、一家の行方不明を知ってすぐに、実行犯の一人を特定して警察に捜査を依頼していました。なのに、事件発生当時の神奈川県警の幹部は、坂本さん宅に残されていた暴力の痕跡を無視し、一家が自発的に失踪したと決めつけて、捜査にブレーキをかけたのでした。
警察に届けが行われた時点では実行犯らは遺体を埋める作業からまだ戻っていませんでした。彼らは高速道路も使っていましたから、その動きを把握することは可能でした。この事件では、松本智津夫が直接実行犯に殺害の指示をしています。きちんと捜査が行われ、教団の犯罪が明らかにされて松本が逮捕されていれば、教団は武装化する機会はありませんでした。サリンの製造方法を教団にもたらした信者は、坂本事件の後に”出家”しているのですから。
このように、初動捜査の誤りが取り返しの付かない悲惨な結果をもたらすことを、神奈川県警のみならず、全国の警察関係者はよくよく肝に銘じてもらいたいと思います。