旅で見かけた有名人

2006年08月24日

 8月4日から2週間、日本を留守にしました。
 行き先はヨーロッパ。主な滞在先はスペインのセビリヤとドイツのバイロイトでしたが、バイロイトから車でオーストリア・ザルツブルグに日帰りの旅もしました。
 スペインは初めてですし、バイロイトもザルツブルグも今回が最初。左ハンドルの車を運転するのも初めてなら、右側通行の道路を自分で走るの初。初物づくしの旅でした。
 途中イギリスでテロ未遂事件が起きて、ロンドンのヒースロー空港ではセキュリティチェックが厳しくなって、機内にはパスポートや現金、カードなどをビニール袋に入れて持ち込めるだけになったりしました。その混乱で、2万個も荷物の紛失があったという報道もあったので、ヨーロッパの他の空港でも、遅れが出たり、荷物の紛失などもあるかと思いきや、スペインでもドイツでも、そういうことはなく、本人も荷物もすべて無事に帰国。
 
 セビリアでは、指揮者でピアニストのバレンボイム氏が続けている、アラブ諸国とイスラエルの若い音楽家が集まってオーケストラを結成するプロジェクトを見てきました。(これについては、後日、稿を改めてご報告します)
 
 バイロイトではワーグナーの「ニーベルングの指輪」を、モーツァルトの生誕250年で沸くザルツブルグでは「ドン・ジョバンニ」を見て(聞いて)きました(そういえば、「指輪」を最初から最後までちゃんと通してみたのも、今回が初めてとなりました)。
 
 この旅の間に、二人の”有名人”を間近で目にしました。
 一人は、”疑惑の判定”で敗者となった、ボクシングのランダエタ選手。
 私はフランクフルト経由でマドリッドまで行ったのですが、成田空港のルフトハンザ便のカウンターで彼も手続きをしていました。
 見送りの人を交えた会話は、私はスペイン語が全然分からないので、内容はまったく分かりませんでしたが、ランダエタ選手がいちばん穏やかで、声のトーンが低かったのが印象的。顔には傷も腫れもまったくありませんでした。
 で、搭乗して二度ビックリ! 私のすぐ後ろの席に、彼がトレーナーと並んで座っていたのです。
 英語で話しかけてみました。彼はニコニコしながら、なんとか答えてくれようとするのですが、うまく言葉が出てこない様子。「英語は苦手なんだ」と、トレーナー氏がやはり不得意そうな英語で説明してくれ、その後で「アリガトー」と言って人なつっこい笑顔を浮かべたのでした。
 席は飛行機のかなり後方だったので、そのうち最後尾にあるトイレに行く人が、彼の存在に気づき出し、サインを求めたり、写真を撮ったり。中には、「ジャパン、恥ずかしい。ソーリー」と日本語英語チャンポンで語りかけるオジサンもいました。たぶん言葉は分からないと思うのですが、気持ちは通じていたようで、ランダエタさんは笑顔でうなずいていました。
 機内には少年サッカーのチームが載っていて、その子たちも気がついて大興奮。あっという間に列ができて、サイン&撮影会になったのでした。かなり時間がかかったのですが、ランダエタさんは、一人ひとりの注文に穏やかな笑みを浮かべながら応じていました。
 昨年6月にウィーンに行った際には、私の右横一帯にウィーン少年合唱団が座っていて、彼らの旅姿に接することができました。ヨーロッパ行きで、こういうおいしいオマケが続きました。
 

 今回の旅で見かけた、もう一人の”有名人”は、ドイツのメルケル首相です。
 「指輪」は全15時間、4日にわけて行われる長いオペラなのですが、彼女はご夫君(たぶん)と一緒に、4日ともいらしていました。昨年もいらしていた、との情報もあり、相当のオペラ好き、ワグネリアンのようです。
 劇場では目立たぬよう、その場の雰囲気を壊さぬように気を遣っておられるようで、テレビカメラの取材も、初日に劇場の外のカフェ奥にあるらしい控え室に向かう場面だけ。警備なども控えめ(に見える)で、違和感を与えません。客席では他の観客に自然に溶け込み、幕間にはカフェテリアの前の庭でソーセージを召し上がり(と目撃者は語っていました)、終演後にはカーテンコールで客席が沸いている間に、すうっとお帰りになりました。
 それなのに無粋なことで申し訳なかったのですが、見たモノはすぐに記録したくなる性分はいかんともしがたく、休憩時間に首相から少し離れた場所にいたSPらしき方に私の小さなカメラを見せて、「いい?」と聞きました。SP氏はそっとうなずいてくれたので、フラッシュなしでその場からシャッターを押しました。
 そういえば、某国の首相がオペラの終演後、カーテンコールの最中に、警備の方々をぞろぞろと引き連れて、中央の通路を前進し、オーケストラピットに「やあ、やあ」と手を挙げて、舞台下を横切る形で帰られる姿を目撃したことがありました。
 オペラ好きの首相、と言っても、いろいろですね。
 

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