チビ帰る

2006年08月31日

 入院していたチビが、家に戻ってきました。
 私がヨーロッパ滞在中に体調を崩し、世話をしてくれていたA嬢が病院に連れていってくれて以来の入院生活。
 お尻のところにある分泌腺が詰まり、化膿してしまったことが原因でした。周囲の組織が壊死してクレーター状にえぐれてしまったため、縫い縮めて肉が盛り上がって来るのを待たなければならず、入院は18日間に及んでしまいました。
 とはいっても、内蔵の具合が悪いわけではなく、病院でもいつもの食いしん坊ぶりを発揮。食事はあっという間に平らげて、「おかわり!」という表情をしていたそうです。そのお陰か、症状の割には回復は早かった、とのこと。世話をしてくださる方たちに甘えまくり、ずいぶんかわいがってもらったみたい。主治医の先生は「すっかり馴染んで、ずっと住んでる住人みたいになってましたよ」と笑っておられました。
 傷口にはかさぶたが残っています。その一帯はピンク色の皮膚がむき出しでお猿さんのお尻みたいになっていますが、いたって元気。病院ではおやつタイムはないらしく、食事の量もきちんと管理されているために、いいダイエットにもなったようで、前よりかなりスリムになっています。
 この体型を維持できるといいのですが、はてさて……
 一番の課題は、私がチビのおねだりに負けてついついおやつをあげすぎないこと、です。
       
 
 体型は変わりましたが、自由奔放な性格や存在感のある態度はもちろん元のまんま。
 タレの定位置だった机のパソコン・ディスプレイ前の場所で、チビは当然のような顔をして、のうのうと寝そべっています。タレは不満も申し立てずに、次なるお気に入りの場所を探してうろうろうろうろ……と思ったら、机の上に上がってきて、狭い空間に体をねじ込みました。寝ぼけたチビの猫キックを受けたりして、なかなか安眠できずに、ひとり顔を洗っています。ふたりの関係も相変わらず、です。
         


 ただ、チビの不在中、タレにちょっと変化がありました。いつもはお客様がいらしても、人見知りのタレは引っ込んだまま。人が大好きで目立ちたがりのチビが必ず出てきて、愛嬌を振りまくのです。時にはシリアスな話をしている最中に、テレビカメラの前に躍り出て来て困ったりするほどです。そのチビの代わりを務めようというのか、タレが出てきて、お客様の足にスリスリしてみたりするようになったのです。健気なタレ……
 チビが戻った今、お客様の時にタレはどういう行動をとるのでしょうか。
 
 
 ところで、例の「子猫殺し」についての私の対応について、多くの方からメールをいただきました。
 大半は、私が抱いた不快感への共感が述べられていましたが、まったく違う立場のメールもありました。私の述べることについて、いろいろと理屈を立てて批判されるのですが、話はまったくかみ合いませんでした。
 そもそもこの問題は、長々理屈を並べ議論を展開する類の話題ではなく、感性が問われている話ではないでしょうか。それを、無理に理屈をつけようとすれば、話に破綻が生じ、結局は理屈のための理屈が展開されがちです。猫に対する避妊手術の罪深さを主張するために、患者・元患者に避妊手術を強要したハンセン病の療養所のこと持ち出される意見もありました。ならば、ハンセン病の元患者さんの子どもは崖からたたき落として殺してもやむをえない、とでも言うのでしょうか。
 頭で考えた複雑な理屈や長い”論文”より、命を奪うことへの恐れや、「この作家の文章を読んで悲しくなった」「腹が立った」といった素朴で素直な感情の方が、ずっとずっと本質的で説得力を持つことがあるような気がします。

 

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